こぎん刺しの基礎 PR

【初心者さん向け】こぎん刺しを刺してみよう

色違いのもどこ

さぁ、こぎん刺しやるぞ! と、道具を用意したけれど、どう始めたらいいか分からないと困っていませんか?

図案を見て、「これ、いちいち数えながら刺さなきゃいけないの……?」と、モチベーションが下がっていませんか?

細かくて難しく見えますが、大丈夫!

こぎん刺しは規則性があります。

なので、次の基本さえ覚えておけば、細かく見える図案も難しくありません。

【こぎん刺しの基本】これさえ覚えておけば大丈夫!
  • こぎん刺しは布の縦糸をすくって刺し進める
  • 基本的には1目、3目、5目……と奇数の目数をすくう
  • 1段目さえ正しく刺すことができれば、2段目以降は前の段の目に沿って、縦糸をすくうことができる
  • 目数の増減は1⇔3、3⇔5…というように、両端1目ずつ増減する。
    例)1段目が1目なら、次の段目は3目。前の段目が1目なのに、次の段目は5目ということはない

つまり、2段目以降は、図案を見て「1目、3目、3目空けてまた3目……」と配列を確認したら、あとはいちいち布の目を数えながら刺さなくていいんです。

とはいえ、初めはどうしても布の目を数えながら刺していくことになると思います。

ですが、慣れてきたら、布の目を数えるというより前の段に合わせて刺す事ができるようになりますよ♪

布の用意をしよう

こぎん刺しで使う布は織り目の粗い平織りの布です。
切りっぱなしでは端からほつれてきます。
そのため手縫い糸でかがるか、布用接着剤を塗ってほつれを防止します。

【かがる場合】
周囲を手縫い糸でかがります。
写真よりもっとざっくりで大丈夫です。写真は少し細かくかがってしまいました。

【布用接着剤を塗る場合】
布の端に布用接着剤を塗ります。
写真は塗りたてのため、塗ったところの色が変わっていますが、乾くと目立たなくなります。

糸の準備をしよう

今回はオリムパスのこぎん糸を例にしてみましょう。
刺しゅう糸25番などの輪になっている糸は、同じやり方で使い始めることができます。

オリムパスのこぎん糸

①糸がバラバラにならないように、糸で結びます。この時、結ぶ糸の色を変えておくと良いでしょう。使っているうちに糸がからまってしまっても、この結び糸を基点に糸を揃えることができます。私は違う色のこぎん糸を使っています。

1 こぎん糸 輪の状態で糸を結ぶ

②糸を切ります。

2 こぎん糸 輪を切る

③糸を引き出す時は、結んだところから引き出します。

3 こぎん糸 結んだところから糸を引き抜く

針に糸を通そう

①針の頭に糸をかけ、糸の輪の部分が平らになるよう指で押さえます。

1 針の頭に糸をかけ、糸の輪の部分が平らになるよう指で押さえる

②平らになったところを崩さないよう、糸をつまんだまま、針を引き抜きます。

2 平らになったところを崩さないよう、糸をつまんだまま、針を引き抜く

③針の穴を糸に向けます。針を指の間に入れ、針の穴に平らになった輪を通します。

3 針の穴を糸に向けます。針を指の間に入れ、針の穴に平らになった輪を通す

④針の穴が縦長になっているので、こうすることで簡単に通すことができます。

4 針の頭に糸をかけ、糸の輪の部分が平らになるよう指で押さえます。
平らになったところを崩さないよう、糸をつまんだまま、針を引き抜きます。
針の穴を糸に向けます。針を指の間に入れ、針の穴に平らになった輪を通します。
針の穴が縦長になっているので、こうすることで簡単に通すことができる

こぎん刺しの基本な刺し方

私は右利きなので、右から左へと刺し進める写真になっています。
今回は少し大きめのもどこ、『車刺し』(39目)を布の中心に刺してみましょう。

『車刺し』の図案

布の縦横を確かめる

布の縦地、横地を確認します。
布を引っ張ってみて、伸びる方が横地、伸びない方が縦地となります。
こぎん刺しは横地に沿って、針を進めます。

布を横に引っ張る
(横地:伸びる)
布を横に引っ張る
(縦地:伸びない)

中心を決める

布を4つに折り、中心を決めます。

布を4ツ折りにして、中心を決める

1段目を刺す

①中心を刺します。
 布の横地に沿って刺し進めます。

1 中心を刺す

②刺し始めは糸を余分に残しておきます。
 長さはもどこの半分の長さ+9cm程度にします。
 これは、厳密でなくていいです。こぎん針が約6.5センチなので、この長さ以上あれば、針から糸が抜けずに糸処理ができます。
 ※布がコングレスなら、1cm内の目の数は約7目。
  39目のもどこなので、39目÷7目=5.57 約5.6cm
  もどこの半分の長さ+9cmなので、5.6cm÷2+9cm=11.8cm

2 刺し始めは糸を余分に残しておく

③布の織り目をすくうように刺し進めます。

3 布の織り目をすくうように刺し進める

④端まで刺しました。

4 端まで刺し終わる

⑤裏に返し、残していた糸に、針を付け替えます。

5 針を付け替える

⑥表に返し、右から左へ端まで刺し進めます。
 後ほど、糸端の処理をしますので、今は少し離れたところに刺し留めておきましょう。
 1段目が刺せました♪

6 端まで刺し進める
後ほど、糸端の処理をするため、糸端は離れたところに刺し留めておく

2段目を刺す

①2段目を刺すため、糸に針を付け替えます。

1 2段目を刺すため、糸に針を付け替える

②2段目に移る時、端にゆるみを持たせ、刺します。

2 2段目に移る時、端にゆるみを持たせてから、刺す

③表に返し、右から左へ刺し進めます。
 1列目を目安にすると刺しやすいです。
 この感覚は刺し進めていくうちにわかるようになります。

3 表に返し、右から左へ刺し進める

④2段目が刺せました♪

4 2段目が刺し終わる

糸こきをする

一段刺すごとに糸こきをします。
刺した段の布の端を持って引っ張ります。

きつく刺していると布が引きつれてしまいます。
端にゆるみを持たせて、糸こきをする事で引きつれを防ぎます。

この時、強く布を引っ張ってしまうと布が歪んでしまいます。
布は斜めに引っ張ると伸びる性質があります。
なので、糸こきをする時は、横に伸ばしながら上下に揺さぶって、糸を均等にするイメージで引っ張ります。

〇 糸に沿って横に引っ張りながら、細かく揺さぶる
× 布を斜め方向に引っ張ったり、強く揺さぶったりする

糸こきする時に、布を伸ばす方向

3段目以降を刺す

①2段目を刺す時と同じく、裏では端にゆるみを持たせます。

1 2段目を刺す時と同じく、裏では端にゆるみを持たせる

②表に返して右から左へと刺し進めます。

2 表に返して右から左へと刺し進める

③1段刺し終わるごとに、糸こきをします。
 3段目が刺せました。
 同じように4段目以降、刺し進めます。

2 表に返して右から左へと刺し進める

糸端の処理をする

①上半分が刺し終わりました。

1 上半分が刺し終わる

②裏から表に糸が出ないように2~3目すくって戻ります。

2 裏から表に糸が出ないように2~3目すくって戻る

③糸を切ります。

3 糸を切って、糸端の処理をする

④【1段目を刺す】で刺し留めておいた糸に針を付け替え、同じように処理します。

4 【1段目を刺す】で刺し留めておいた糸に、針を付け替え、同じように糸端を処理する

下半分を刺す

①下半分を刺し始める時は、端から始めます。
 糸を9cmほど残します。

1 下半分を刺し始める時は、端から始める
糸端は9cmほど残す

②上半分と同じように刺し進め、糸の始末をします。

2 上半分と同じように刺し進め、糸の始末をする

完成♪

【車刺し】 完成

いかがでしたか?
こぎん刺しは、布を変える・糸を変えるだけで全く違った印象になります。
自分の好きな色彩でこぎん刺しを作ってみてください♪

では、今回はこのへんで。
また、ぜひ来てくださいね♪

『わたしのROOM』では、こぎん刺しに必要な道具やキットを紹介しています。
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キットの【初心者さんにお勧め】や【中級者さん向け】のレベル付けは、私の独断と偏見です。